あいつ




「夏紀っ…。」




すぐ目の前にはタケちゃんがいて…矢野はすでにいなかった。




「大丈夫か…?」




タケちゃんは私の涙を拭おうと触れた時…思わずビクッとしてしまった。




「ご、ごめん。タケちゃんだから大丈夫なはずなのに…。」




私は必死に涙を自分で拭いた。



でも拭いても拭いても涙は出てくる。
< 89 / 148 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop