まぶたを開けた時
そんなことから、迷惑だったのかな、と心配になりだす。
「……稽古中にごめんなさい」
どうするにせよ、言わなければ次に何も考えられない。
歩きながら言うと、ピタリとシンが止まって私は急には止まれなくてシンの背中にぶつかった。
鼻を抑えながら辺りを見渡す。
花壇では言い表せない見事な庭園がそこにはあった。
シンと私のすぐ近くには蕾もまだつけていない花壇があって、深い緑が鮮明に寒さを伝えていた。
「あ、のね」
伝えたいことは、四つの雨のこと。自分の口から、着いてきて欲しいと頼みたかった。
着いてきて欲しい。
ただそれだけなのだけど、伝えたかった。
「君花っ」
「えっ!?」