まぶたを開けた時
君花がいないのが気になったけれど、夜陰もいないし見守ってくれてるだろうとシエナはカチャッと空になったティーカップを机に置いた。
アレンはベッドの上に起き上がって座り込むと腑抜けた表情をシエナに向けた。
「もうこんな時間」
「そうね、昨日長く話し過ぎたみたい」
あれから結局朝方まで起きていたのだ。
「……キモい」
不機嫌そうに言い放たれた言葉、シエナはギョッとアレンを見た。
「酷い!!」
まるで傷付いた子犬のような表情を浮かべたシエナをアレンは凝視する。
「あのさぁ、別に俺に付き合って無理して女の振りしなくていいんだよ?シエナ」
アレンは髪をガシガシと乱してベッドから立ち上がると机の上のティーセットを手にした。