まぶたを開けた時
「訴えられちゃう。
だって、君花を見ていると絶対に守らなきゃって思うの。
やっぱりそれはアレンをずっと守ってたから。
それ以外の何者でもないわ」
この苛々はどこから来るのだろう。とアレンは考える。
特に苛々するのはシエナのすまし顔を見た時。
“お前絶対自分の気持ち隠してるだろう”
そう言いたくて堪らない。
でもそれを言おうとしたらイライライライラと胸が焼けそうなった。
「………」
「どうしたの?」
黙り込んだアレンをシエナが見る。
「怖いわよあなた。負のオーラが出てる」
「何か言った?」
シエナはひきつった笑顔で何でもないと首をふった。
***
木の上からシンと君花の様子を見ていた夜陰がボソリと呟いた。
「イラナイ恋情デスね」