まぶたを開けた時
これはシエナに伝えるべきか否か。
嫌、そもそも何故シエナに伝えなければいけないのか、ああ、シエナも君花を好いているからか
またいらない恋情か。
なんなんだあの異世界人、魔物か、何故私の魔法が無効化なんだよ。
面白くない。
それより今は面白がるべき時じゃない。
深く深く夜陰は考えて木を下りた。
「離れロ見ていてウットウシイ」
夜陰が二人の後ろでそう言うと、君花は慌てシンから離れた。
みみみ見られてた!?
カアァ───ァと頬が熱くなるのがわかった。
夜陰を見ると眉間にシワを寄せている。シンは無表情で夜陰を見ていた。
「………夜陰…」
シンは小さく言うと何かを考えるように下を向いた。