まぶたを開けた時
「久しぶりです」
そして軽く会釈する。まるで生のない声で
「ウン。久しぶり。それより四つの雨のハナシは聞いた?」
「四つの雨?伝説の?」
まだ言ってない。
シンが知らない様子を見て夜陰は少し表情を怖くして口を開いた。
「国の平和を願うタメニ四つの雨を探しに行く。
シンは君花の護衛にツイテキテ下さい」
言った。言っちゃったよ
私がちゃんと言おうと、頼もうとしていたことを、この人言っちゃったよ。
「勿論行くけど、君花はそれを伝えに……君花?」
許しません!!!!
「ちょっとあんた!!」
私はビシィッと夜陰を指差した。
まるで宣戦布告をするように。
「私がちゃんとシンに言おうとしたことをそんな簡単に言わないでよ!!
危険な旅になるかもしれないから、強制じゃなくてちゃんと頼みたかったのに!!」