まぶたを開けた時
夜陰は目も開けないでいつもの表情を浮かべていた。まるで笑ってるような
人を見透かしたようなその表情に、私は手を下げげんなりとした。
どうでもいいや。
「シン、危険だよ?いいの?」
シンに向き直るとシンは呆けていて、慌てて私の顔を見た。
「え、あ。うん。怖いなお前」
ガ─────ン
夜陰は笑いを噛み殺す。
「ご、ごめん!!怖くない!!」
武士に二言なし!!
って自分を追い込んじゃったよι
明らかにシュンとした私を見て、シンが私の手を強く握った。
「俺は騎士だ。守るのが仕事。嫌、宿命なんだ。
俺は君花を守るために生まれてきた」
「シン……」
頬が紅くなるのがわかった。だってなんだか愛の告白みたいなんだもの。