まぶたを開けた時
「ありがとう」
「僕も!!僕も行く!!」
城の方から走って来るのはシチ。
シチは何かを手にこちらに向かってやって来て、私の前で止まるとその何かを私に差し出した。
「ネックレス?」
白い石が皮の紐についたネックレス。シチは頷いて私に押し付ける。
「それ、前に町に出た時に買ったパワーストーン。それに毎日魔法をかけて君花を守る石にした。
付けといて。絶対役にたつし」
そっか、シチが最近居なかったのはこれをしていたからなんだ。
「僕も君花を守る」
どこから聞いていたのか、分からないけどシチの真っ直ぐな瞳、シンから手を離してくれて、私はシチの手からネックレスを受け取った。
「ありがとう」
暖かい。体温みたいに暖かい石
シンもシチも笑った。