まぶたを開けた時


羨ましく思うのと同時に自分の闇の強さに呆れた。

アレンはもう一度君花の肩を揺らす。


「君花」


シエナはそんなアレンを見ながら胸がざわつくのを感じて、それでも隠して夜陰と真っ正面から歪みあった。



「ねぇ君花、」


アレンは尚も優しく君花を揺する。

君花はパチッと目を開けてアレンを見た。



「……お母さん」


ギュッ

って、えええ!!?

シエナもアレンも硬直した。アレンは自分の首に回された柔らかい君花の腕に体温が上がる。


シエナは何も出来ずにその様子を見張ってしまった。夜陰はソファーに肘をついて手に顎を置く。

特に興味はないから。



「き、きききき君花!!?」

「あれ?アレン。お母さんかと思った。違うじゃん」





< 128 / 235 >

この作品をシェア

pagetop