まぶたを開けた時
羨ましく思うのと同時に自分の闇の強さに呆れた。
アレンはもう一度君花の肩を揺らす。
「君花」
シエナはそんなアレンを見ながら胸がざわつくのを感じて、それでも隠して夜陰と真っ正面から歪みあった。
「ねぇ君花、」
アレンは尚も優しく君花を揺する。
君花はパチッと目を開けてアレンを見た。
「……お母さん」
ギュッ
って、えええ!!?
シエナもアレンも硬直した。アレンは自分の首に回された柔らかい君花の腕に体温が上がる。
シエナは何も出来ずにその様子を見張ってしまった。夜陰はソファーに肘をついて手に顎を置く。
特に興味はないから。
「き、きききき君花!!?」
「あれ?アレン。お母さんかと思った。違うじゃん」