まぶたを開けた時


シエナにまですがるなんて今の私は精神的に弱ってたんだろう。


「違うでしょーそれ、多分逆にそれは喜ぶと思うんだけど」

こればかりはと夜陰も頷く。
じゃあなんで?


「シンドリーにヤキモチ妬いてるンジャナイ」


焼きもち?

「お正月に食べる?」

「違うわよ」



まるで馬鹿にしたように、いやいや普通にすらりと突っ込まれて肩を竦めた。でもさ


「だって妬きもちって、妬きもちでしょう?シンが?誰に?何を?
考えられないんだもん」



妬きもちぐらいわかるけどさ、ボケずにはいられなかったんだ。


「……まあいいわ、あんたはそれで。とりあえず、気にしなくていいから自分を追い込まない」



シエナの手がヨシヨシと頭を撫でる。

気持ち悪いはずなのに今はそれが精神安定剤のようだった。






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