まぶたを開けた時
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君花とシチが部屋を出ていった今、アレンの部屋にいるのは部屋の主である王子アレンとシエナと夜陰。
「花の幼なじみ三人組ねー」
「ワタシの一生の汚点ハシエナと一緒に成長シテキタことダよ」
しれっと言い放った夜陰にこの中で最年少のアレンが笑った。
アレンはベッドに座ったまま2人を見る。
「2人共ありがとう」
儚げな笑顔にシエナがニヒッと笑う。夜陰はなんでまた?と言う表情をアレンに向けた。
「べっつにアレンのために旅にでるわけじゃないわよ」
「え?」
「平和を願うノハワタシも同じデス」
「それに、君花の頼みだし」
アレンはムッと目を細めた。シエナのそういうのは君花本人に言って欲しいものだ、全く。と
でもそれはそれでアレンの心にモヤモヤと残るものがあった。