まぶたを開けた時


「まあいいや、それなら、気が軽いよ」

ポスッとアレンはベッドに寝転がる。



別に心配はしない。小さい頃からずっと一緒にいたから二人がどれだけ強いとかよくわかってる。



悪魔の子の自分にずっと一緒に居てくれた二人。
シエナなんて女装にまで付き合ってくれた。

今では自分以上に女だけど。


キイチは10歳の時から夜陰として城を出てしまって、それきり自分以外に名前を呼ばせる事を嫌がった。

それからキイチとシエナはすこぶる仲が悪い。
あれ?元からだったかな。


アレンは瞼を閉じ幼い頃を思い出した。


「……死ぬなよ」

「シナナイ」



誰一人欠けて欲しくない。でも平和になって欲しい。

こんな我が儘な自分がいたなんて、とアレンは溜め息を漏らした。





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