まぶたを開けた時


城を出てもう大分経つ。
まだ外は暗いけれど、時期に日も出てくると思う。


隣には川が流れていて、前方には大きな高い山脈が聳え立っていた。



「ハーベスト山脈を真っ直ぐに越えると東の国だ」

「うん、結構すぐだね」

「いや、これからが長いんだよ」



シンはフゥッと息ついて手綱を持ち直した。



「日ガデソウだ急ぐヨ」


夜陰の声に、四頭の馬が一斉に速度を上げた。



速いのはいいんだけど、凄く怖いんだよね。
でもシンは凄く私を守るようにしてくれてるから、これがなかったらきっともっと怖いはず。



シエナの馬に乗らなかった理由の一つでもある。


あとひとつ、理由があって、それはやっぱりさっきの出来事が関係する。





< 152 / 235 >

この作品をシェア

pagetop