まぶたを開けた時
城を出てもう大分経つ。
まだ外は暗いけれど、時期に日も出てくると思う。
隣には川が流れていて、前方には大きな高い山脈が聳え立っていた。
「ハーベスト山脈を真っ直ぐに越えると東の国だ」
「うん、結構すぐだね」
「いや、これからが長いんだよ」
シンはフゥッと息ついて手綱を持ち直した。
「日ガデソウだ急ぐヨ」
夜陰の声に、四頭の馬が一斉に速度を上げた。
速いのはいいんだけど、凄く怖いんだよね。
でもシンは凄く私を守るようにしてくれてるから、これがなかったらきっともっと怖いはず。
シエナの馬に乗らなかった理由の一つでもある。
あとひとつ、理由があって、それはやっぱりさっきの出来事が関係する。