まぶたを開けた時
そしてシエナに背を向けてバレないように溜め息を吐き出した。
「人魚伝説?」
姿は見えないけれど考え違いだったのかすっとんきょんなシエナの声が私の耳に通る。
夜陰の馬鹿
シエナが怖い
私はバクの一件からシエナをそんな風に思うようになっていた。
シエナが、怖い。と。
女の子だと思ったら、男になったり
男だって確信したら、本当に女友達みたいに話すことが出来たり。
怖いと思ったのは、このよくわからない感情を言い表すのに一番近かったからで、実質的にそう思ったわけではなかった。
ただコロコロ変わるシエナについていけない。
それだけなのかもしれないし、一度男だと確信してしまうと、もう、シエナを女の子として、女友達として見れなくなったのかもしれない。