まぶたを開けた時


「……」

窓から身を乗り出してシエナは下の様子を確認する。私も窓に手をかけて下に顔を向けた。


宿の下は海に真っ直ぐ続く町のメインストリートになっていて、宿以外にも酒屋やレストランなどお店が沢山並んでる。


昼間通った時は、素敵な道だったそこは、提灯の灯りがボウッとユラユラした雰囲気を作り出して夜を照らしていた。

そして逃げる人々を追う酔っぱらい。
いや、あれは……

「海賊よ」


シエナの言葉にやっぱりと息を飲んで窓枠をギュッと握りしめた。


「助けて!!」

その時、若い女の子の声がして、シエナが窓に足をかける。
何事かと見張ればシエナは二階のここから下に下りようとしていた。



「シエナ!?」

「あんたは危ないから部屋にいなさい。それから窓の鍵もちゃんと閉めてシン達を呼んで来て」





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