まぶたを開けた時
ガチャンと音をたてて地面に打ち付けられたボトルは粉々になり、周りにいた人々を傷付けた。
悲鳴の中で男は陽気な鼻唄を口ずさむ。
「危ないじゃない」
「女が口答えすんなっつうの。俺を誰だと思ってんだ」
男は後ろポケットからボトルを取り出して天高らかに声を上げた。
「俺はキャプテン・ヴェロニカ・ウォルスキー。
西の海の海賊だ」
誰もあなたが誰かなんて聞いてませんけど的な細い目で見つめるとヴェロニカ・ウォルスキーはニッと笑って私を抱き上げた。
「きゃあぁあ!何するの!?」
「女、胸は無いが気に入った。俺の船に乗せてやるよ」
「はぁあ!?」
軽々と抱き上げられ、私はヴェロニカ・ウォルスキーの肩に乗っけられた。
「ロウ。俺のことはロウって呼びな」