まぶたを開けた時
地から離れた足、目下にはメインストリート。今このロウに手を離されてでもしたら、ただじゃ済まない。
クラリと気が遠退く気がして、目の端にうつった光景を凝視した。
「し、シエナ!!」
メインストリートから斜めに一本外れた道から女の子と一緒に歩いてくるシエナ。
聞こえていないらしく、シエナは優しく女の子をさすりながら笑っていた。
私がこんな時に!!
イラッとして形振り構わずジタバタとロウの肩の上で暴れまくる。
「離して!!」
「離すの?怪我するよ?」
「部屋に戻せって!!」
悪くなる口調にロウは口笛をふいて柵から手を離した。
……え?
「きゃあぁああぁぁあ!!!」
風を感じて必死にロウにしがみつく。遠くで私の呼ぶ声が聞こえたけれど、地面に降りた衝撃に気を失いそうだった。