まぶたを開けた時
「おっと。アイリリードだ」
私が口を開くより早くロウが口を開いて私を自分の背に隠した。
「キャプテンヴェロニカ・ウォルスキー。また女ですか。本当駄目キャプテンですね」
カンカンカンと甲板を歩いてこちらに近付いてくる足音。
ひょっこりアイリリードを見ようとしたら、ロウによって塞がれた。
「じゃあいっつも調教とか言って先にヤるお前はいったい何なんだよ副キャプテン」
二人の会話にゾッとした。まさかとは思ったが夜の相手というのは冗談じゃないらしい。
「このダリウス号のキャプテンが抱く女です。ある程度慣れていていなければ」
カチンと来た。
そんな私の様子を汲み取ったのかロウが慌てて前に乗り出そうとする私の前をなんとか塞がろうとする。
が、そんなこと構ってはいられなかった私はロウを甲板に突き飛ばしてアイリリードの前に出た。