まぶたを開けた時


「ちょっと。あんた女をなんだと思ってるの!?」


腰に手をあて背の高いアイリリードを睨む。
アイリリードはロウを見て、それから私を舐めるように爪先から頭の先まで見た。


「ロウ。あなたいつからロリコンになったんですか」

「違うわっ!!」


この男は何でこういちいち気に触ることを言うか!!と毛を逆立てるとアイリリードは無表情に船の外に目を向けた。


「来客です」


私もロウもアイリリードの視線を追う。


「夜陰さん!!」


急に甲板に現れたのは夜陰。それからシエナ。


「君花を返して貰うわ」


ロウはシエナを見て小さな声で「しつこいやつ」と呟くと、首をパキポキ鳴らして私の肩を抱く。


私は胸に溢れた安堵感に涙が落ちそうになっていた。

見捨てないで助けに来てくれた!!





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