まぶたを開けた時


言い聞かすように言われたアイリリードの言葉に何かいいかけたロウの口がごもついた。


「残念ですが。我々は敵ということです」

「え?」

「我々も四つの雨を探している。北と南が戦争になるこのチャンス逃す訳にはいかないのでね」


どういうこと?と耳を疑いたくなった。
てっきり四つの雨を探しているのは私達だけだと思っていた。

四つの雨を探すことは危険なこと。


でも海賊なら、危険なことに望んで向かっていくのだろう。

だって海賊なのだから。


思わぬライバルの出現に私は頭を抱えた。
敵いっこない気がした。


「……あなたがキャプテンの女になると言うなら手を貸しましょう」

ニッコリ笑うそのアイリリードの裏腹は酷く黒い気がして一歩下がる

「馬鹿言わないで」

いつの間にか剣を抜いてシエナがアイリリードの喉元に向けていた。





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