まぶたを開けた時
「デハ。ワタシ達は北に向かいマス
雨をヨロシク」
夜陰はそれだけ言うと甲板から消えていった。
いつの間にか船は真っ黒な海の真ん中に。まだ少し見えるオリビアの城も蟻のように小さい。
「じゃあいつものように私が先にヤらせてもらいますかね」
アイリリードは怪しく笑って私の頬を撫で上げる。
ゾワッと鳥肌がたってシエナを見た。
「あたしはシエナっていうの、そんな小娘ほっといてあたしと楽しみましょう」
ああ言いながら瞳孔の開いたシエナは笑いながら殺気だらけで苦笑になったアイリリードを掴みながら甲板を歩き出した。
「さあアナタのお部屋に案内して頂戴」
そう言って消えていった二人。船員は船をうろちょろしていて私とロウ二人きりになった訳じゃないけど静かになった。
どこからか海賊の歌が聞こえて来て、ここは本当に海の上でこの人達は本当に海賊なんだと思い知らされた。