まぶたを開けた時


「だとしよう」

という仮説から入った話しに私は思わず頬を緩めた。

「この四つの雨の在処、わかっているのは東と南だけ。
全て神話的な物語があって俺はそういう話が大の苦手だからよくは知らない。

東の人魚伝説なんて大まかに知ってるだけだから」


ロウはこれまでに色んな国に行ったらしい。
東西南北と4つの口が固まっているこの国は世界のほんの一部で

ロウの話しは段々武勇伝と変わっていった。


「そこで俺は言ったんだ。俺の決めゼリフ!」

椅子に立ち上がり机に足かけたロウ、手を天井に掲げ

「「俺はキャプテンヴェロニカ・ウォルスキーだ」」


被せて言ってやるとロウが目を見開いて私を指差す。

「何俺の決めゼリフとってんのおおお!?」

「あっはっはっは!!」


さっき食べ終わった夜ご飯の食器を重ねながらもお腹を捩って笑う。




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