まぶたを開けた時


「ええ」


シエナさんはニッコリ笑って着いてきた。



「待てって」

「シンが心配してるようなことはないわよお」



シエナはそう言い捨てると私の肩に手を置いて部屋を出た。




「ねえ、シエナさん」

「敬語もさんもいらないわ。

私はそうしなきゃいけないけど、このままでいいかしら」

「うん。このままで」




シエナは本当に大きくてスラリとしていて

いい香りがする。



赤い絨毯の廊下には等間隔で扉があって壁には絵画が飾ってあった。




「ここよ」




シエナは一つの扉の前で止まると私を扉の中に押し込んだ。




「え?シエナは?」


扉の外のシエナの手を掴む。



「後は侍女に任すわ。あたしは部屋の外で待ってる」




1人になるの……?




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