まぶたを開けた時
お礼を言うとシンは照れたように笑った。
「なあにいちゃついてるのよっ」
シチと絡んでいたシエナがまたシンを突飛ばして絡む。
せっかく綺麗なのに勿体ない
「シエナ、そこまでしなくても」
「駄目よ。君花は黙って守られときなさい」
んなっ
ムカつくのにドキドキしてしまって言い返せない。
「アレン」
扉の向こうから中年の男性の声がして、騎士の三人が動きを止める。
「君花、国王様や。絶対に声出したらあかんで」
シチにソファーに座らせられて頷いた。
「国王様。アレン王子は今喉を壊しておられです」
シチが扉を開けながら国王を部屋に招き入れた。
「そうか。では話すことは出来ぬのだな」
この人が、国王様……………。