まぶたを開けた時


中年肥りで大きな体格

立派な洋服を身に纏っているが、どこか近付きたくない雰囲気を醸し出していた。


一見普通なのだ。



だけど、私を見る目が尋常じゃなく気持ち悪い。




国王の威厳も糞もないよ。



ソファーまで来た国王に私は立ち上がって礼をした。

挨拶しそうになった口は慌てつぐむ。




「もう女装はやめたかと思ったよ。あんなに嫌がってたのに

案外ハマったか?」




ニヤリと笑った国王の表情に侍女の言葉がのし掛かる。




お妃様を被せて襲った



“国王は危険だ”



そうわかっているのにどうすることも出来ない。

どうしたらいい?どうすればいい?




「私とアレン二人きりにしてくれ」





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