まぶたを開けた時


「国王と二人にしてください」



無意識に出た言葉。

シチが呆れた表情を浮かべた。
それもそのはずだ。絶対に声を出すなって言われてたんだから。




「アレン、誠におなごのような声をしたな今」


ギクリ



慌て繕った笑顔もひきつった。



「風邪のせいかいつもの声が出ません」



ウンウン。そうゆうことにしておこう。


喉を抑えて痛い振りをすると国王も納得したようだった。




「シエナはクビにしないで下さい」

「わかった。」



早く出てってよ!!



そう視線を送ると、シチがシンとシエナの背を押して部屋を出ていった。




「シエナ、瞳孔開いてる。
殺気かくして」



シチは廊下でシエナにも呆れた。





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