まぶたを開けた時
バシッと近づいてきた顔を手で押さえつけた。
「やめてよシエナ」
何するつもりだ
「嫌よ。お姉ちゃんっての撤回して」
ペロッと手のひら舐められてすぐに手を引っ込めた。
「でもシエナは女の子でしょ?」
そうじゃないって考えたら、なんだか物凄く寂しくなった。
「そんな顔すんなよ」
ボソッとシエナが何か言ったけど私にはよく聞こえなかった。
「なんか言った?」
「ううん。あたしはあんたより女の子よ」
フフンと勝ち誇ったかのような笑みを浮かべてシエナは上半身を起こした。
私もいつまでも寝そべってるのは嫌だからベッドから降りて立ち上がる。
「オカマには負けないよ!」
「オカマですって!?」
シエナはまた怖い顔して私に飛びかかってきた。
シエナは女の子
だけど本当は男の子。それが彼女の秘密。