まぶたを開けた時
***
シンが手を伸ばして待っている。
時間になった私は、ついさきほどお城から馬車に乗り込んで広場に向かった
のだが、
「…………ぅっぷ」
酔った。果てしなく酔った。
「大丈夫?」
可愛い顔して馬車の外から心配してくれてるシチに、笑顔を繕って見せた。
「ちょっと酔っただけだから
まだ演劇まで時間あるよね?」
「あるよ」
「じゃあ私ちょっとここで落ち着いてていい?」
シンは頷くと、シチを馬車に入れた。
「シチ、君花を頼んだ」
「わかった」
パタンと馬車の扉が閉まって、しめた。と寝転がった。
「速っ。そんなにしんどかったん!?」
「だって馬車初めて乗ったし
こんなに揺れるとは思わないよー」