まぶたを開けた時


少し歩くと川のせせらぎが聞こえて私はシエナから手を離して前に急いだ。



ガサッと小枝や落ち葉を踏んで、もう一歩前に出るとジャリッと石っぽい感覚がする



「ついた」




茂みの奥にある川は、私のもといた世界、日本と何ら変わらない。

その様子に心まで和んだ。



石ころの上を歩いて進んで川のギリギリのところまでいってしゃがむ。

右手を水につけるとキンキンに冷えていることがわかった。




「早くしなさい。もう戻らなきゃ」

「う、うん」




思い切って両手を水に浸して汲むと口の中に川の水を含んだ。



ううう冷たい!!

私、歯覚過敏なんだよおおι
アイスとか?絶対噛めない人だから私


ガソガソくんとか食べないし



涙を浮かべながら何回か口を濯いで立ち上がった。





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