まぶたを開けた時
いちいちうるさいとアレンはキイチを睨む。
でもキイチは狐目で、見えてるのかもわからない。
一応睨んでるんだからそれなりの対応はしてほしい。
「影武者を作ったんだ」
「影武者デスか」
キイチはいつの間に淹れたのか紅茶をアレンの前に置いた。
「うん。俺と本当にソックリな女の子。目も髪も黒い、まるで俺なんだ」
「フムフム護衛は?」
キイチはティーカップを手に持つ。
「シンとシエナそれからシチの三人」
「シチ……元気シテマスか?」
「うん。一番子供だけど一番大人」
そう言うとキイチはハハと笑った。
シチは夜陰でもあったのだ。
「ソレはヨカッタ。で、アレン様はお国を出て港に出るオツモリなのですネ」