♥ハニートースト♥【完】

『・・・無理にでも俺のものにしてやる。』

冷えたベッドのうえ。

ここは・・・

あの懐かしい香りのする

部屋。


「・・・やめて・・・!」

身体は嘘をつかない。

『奏は、お前が元カノに似てるから選んだんだよ』

え?

なんて?

元カノ??

聞いてないわ。

そりゃ、そんなこと知るタイミングは

なかったけれど・・・。

体は固まってしまっていた。

衝撃だった。

私には重過ぎる。

『好きだよ・・・』

甘くて・・・けど強引な

私の嫌いなキス。

今分かったの。

嫌いと好きのキスが。

このキスは嫌い。

奏さんがしてくれた

あの奪うようで優しいキスが好きなの。

ああ・・・私あなたじゃないとダメみたい・・――


「んっ・・・はぁっ・・・」

頭の芯が働かない。

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