手のひらに、桜
「まあ、会いたい奴に会えってのは、俺も賛成だよ」
蹴られた足を押さえながら、
裕二はそう言って笑った
会いたい奴には、会え・・・か
二人に聞いたこの言葉で、
ちょっとだけ胸がスッキリするのが分かった
会いたくはないけど、
こんなとこでモヤモヤするくらいなら――!!
「ありがとうございます」
私は、二人にお礼を言った
「おぅ、なんか分かんねぇけど役にたてたか」
「頑張ってね~」
そんな二人に、頭を下げて、
私はお化け屋敷に走りだす
「おい!!落書き終わってねぇぞ。
しかもこのプリクラいらねぇのか?」
後ろで一樹の声が聞こえたけど、
私は「ごめんなさい」とだけ言って、走った