手のひらに、桜



先輩は、もう一度手を伸ばしてきた


そして、いつも以上にグシャグシャに頭をかき回す




「じゃあな」


先輩は、そう言って背中をむけた




「原中先輩!!!」


その背中が、いつもと違うくて私は思わず声をかけた




「ん?」


そう振り返った先輩の顔は、

もういつもの先輩だったんだけど・・




「あの・・・サッカーしてる姿は、かっこよかったよ」



かける言葉が思いつかず、

そんなことを叫ぶ


敬語なんかつかえなかった




先輩は、一瞬大きく目を見開いて、

それから満面の笑みをうかべた


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