手のひらに、桜



「――ッッ!!彼女ってなんですか!!」



「俺も、じゃないって。
お前がそんなんだから、俺と紡ちゃんが誤解されんだろ」




私と先輩は、二人して一斉に否定した




「でも、お似合いだと思うんだよなぁ。お前ら」



「・・お似合いとか言うなよ。そんなん他人が決めるもんじゃないから」



「まあ・・そうだけどよ」




否定した、んだけど

なぜかズキッとする


足立先輩は、けっこうよくあるたんびに

こうやって私たちをからかってくるんだけど、

先輩はそれを断固として否定してる


その否定が、

私を彼女にするなんてありえない、ってくらいの

強い口調での否定だから・・・



だから、ズキッとするのかな?



前はここまで否定しなかったんだけど、

先輩と仲直りした日くらいからか、

ずっとこんな調子だった


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