手のひらに、桜





そしたら、そばにいた子たちがみんな、





「でも、茉莉ちゃんの家ってすっごいでっかいよな」



「お母さんもすごいキレイだよ」



「でっかい庭もあるし~」



「この前、茉莉ちゃん家いったら、ケーキでてきた!」



「あたしが行ったときもでてきたぁ!すっごいおいしかったよ」





そんなことを言い出したんだ


その言い方が、いかにも自分の家とは違うって感じで…

だから、そのときにふと思ったんだ



自分は他の子とは違うのかなって


今だったら、だから何って感じなんだけど、

そのときのあたしはまだ幼かったんだろうね



みんなと違うっていうのが、なんとなく嫌で、

その日から、なんとなく家に友達を呼ばなくなっていったんだ




ただ、そのときはみんな普通だった

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