手のひらに、桜





「・・・・・ッ!!」






一瞬、自分が何を思っているのか

分からなくなった



怒りとか、恥ずかしさとか、

あと、悔しさとか

いろんな気持ちが、胸の中で暴れる



でも、声に出ることはなかった






「でもさ・・・桜って、掴めるんだよ」



その言葉は、私に向かって

諭しているような口調で・・


私はキッと先輩を睨んだ




「それに、掴めなかったら・・」




「うるさいっ!!」




叫んだ


ここは学校で、

叫んだら目立つのも分かっている



それでも、


気持ちを抑えきれなかった...



< 21 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop