手のひらに、桜




気が付くと、

窓から少しだけ光が差し込んでいた


“河童ウサギ”の腹の時計は

6時32分を指している





今日、会ったら問いただそう


先輩に、

なんで私の名前を知っていたのか

聞いてみよう



そう思ってから、

そんなことを思う自分を

少し不思議に思った


見知らぬ人に名前を知られてるなんて

不気味なはずなのに・・



今の私は、そんなことを微塵も思っていなかった


そんなことよりも

あの先輩だったら、別に知られていてもいいや、なんて・・





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