手のひらに、桜


「てかさぁ~」



そんな私を見て、その人は明るく笑うと

今までの空気を変えるように


「俺、まだ自己紹介も出来てないんだけど」


と言った




「・・・・はぁ」


予想外の言葉に、私は間の抜けた声を出してしまう




「あっ!!確かに、そうですねぇ~」


でも、当事者でない茉莉は

暢気な声でその人に同意していた



なんか・・恨めしい



< 54 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop