手のひらに、桜
友達と先輩
「ねぇー!!中庭行こぉ」
昨日、二人の先輩の名前を知って
ちょっと憂鬱な気分になっていて、
その翌日だった
茉莉が、さっそく笑顔で
そんなことを言ってきた
「めんどくさい」
と即答する
本当は、あの桜の近くに寄りたくないとか、
原中先輩に会いたくないとか、
いろいろ理由はあるけど
でもなんか、説明するのもめんどくさい...
でも、茉莉にとって
行かない、という選択肢はないみたいで
「はやく!!先輩待ってるからーー」
と私の手を引っ張る
そこで手を振りほどくほど、
私は人間不信でもなけりゃ
茉莉のことが嫌いなわけでもなくて
仕方なく、
周りの目を気にしながらも
私たちは中庭へと走った