手のひらに、桜



「はいはい、肝にめんじておきます」


私は、いい加減めんどくさくなってきて

適当に返事をした


それでもまだ、橋本さんは


「龍見先輩、紡ちゃんのこと好きになっちゃわないかな」


と弱気なことを言う



「大丈夫でしょ」


「そうかな…」


「や、大丈夫だから」



だんだん、ムカついてきた



「そ…だよね。考えてても始まらないよね」



ありがとう紡ちゃん、と言って

橋本さんは去っていった



その後ろ姿を見ながら、


やっぱり、私が相談に乗るのは

似合ってないし無理な気がする…


と、思わず考えてしまった

< 88 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop