手のひらに、桜




カチ、カチ、カチ、カチ、


シーンとなる

“河童ウサギ”の時間を刻む音が、やけに響いていた



私は、のっそりと起き上がった

このままだったら、二度寝なんか出来そうにない



今日の服、ジャージでいいかな…?

別にいいよね、付き添いだし



なんてことをぼんやりと考えながら、私は部屋をあけて一階におりた

両親とも、まだ寝ている


そういや、2人とも今日は休日だっけ?



カタ、カタという足音を、出来るだけ殺して歩きながら、

私は2人のいる部屋の前を通り過ぎた


それから、

ご飯を食べて、歯を磨いて、着替えて―――

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