世界で君だけ。



今度こそはもう、話のネタが見つからなくって


私の家につくまでお互いずっと無言のままだった。







「それじゃ、

ありがとうございました」



私がそう言うと、


『うん、ばいばい』


先輩は素っ気なくそれだけ言い、夜の闇に消えていった。







ぽたっ。


何か温かいものが頬を伝う。

触ってみると、それは何で出たのかも分からない涙。


「なんで泣いてんだろ……私」


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