世界で君だけ。




嘘だってバレバレのはずなのに、先輩は


『ふーん、そっか』



そう言って、それ以上追求することはなかった。



それに私の心はまたズキズキと痛み出す。



自分の気持ちを言えないことに、


気持ちを言う勇気が出ない自分に



嫌気がさした。




いっそ全部吐き出せちゃえば楽なのにな……




そんなとき、先輩がふと思いついたように言った。




『……名前』




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