ポケットの恋
1
「なんの面識もない方にアドレスを教える必要性を感じません」
カラオケボックスの一室で、派手な男達が絡んできた。
意味のない褒め言葉を並べ立てた後、当たり前の様に携帯のメールアドレスを教えろと言ってきたので、我慢ができなくなった。
もともと、一方的にやられて、黙っていられる性格ではない。
こういうことに弱い連れがいるので、面倒なことにする訳にはいかないと思っていたが、もう無理だ。
「あなた達勝手に入ってきたけど、部屋代は払う気あるの?それから、あなた達が部屋にいる間、私たちは何もできなかったけど、その分の料金はどうするつもり?」「は?何おまえ、えらい威勢いいのな」
派手なうさぎがプリントされたズボンを腰穿きした男がずいっと前に出てきた。
あたまを軽くなぶるようにされる。
睨みつけていると、不意にあごをくいっと持ちあげられた。
「何?」
より強く睨みつけた時、視界が遮られた。
自分が庇っていた筈の幸日がいつの間にか前に出て、庇ってくれている。
「やっ…やめてください…」
「幸日…」
思わず名前を呼んでしまう。
「ユキヒ?ふーん。ユキヒちゃんっていうの?トモダチ庇ってあげていい子だね」
カラオケボックスの一室で、派手な男達が絡んできた。
意味のない褒め言葉を並べ立てた後、当たり前の様に携帯のメールアドレスを教えろと言ってきたので、我慢ができなくなった。
もともと、一方的にやられて、黙っていられる性格ではない。
こういうことに弱い連れがいるので、面倒なことにする訳にはいかないと思っていたが、もう無理だ。
「あなた達勝手に入ってきたけど、部屋代は払う気あるの?それから、あなた達が部屋にいる間、私たちは何もできなかったけど、その分の料金はどうするつもり?」「は?何おまえ、えらい威勢いいのな」
派手なうさぎがプリントされたズボンを腰穿きした男がずいっと前に出てきた。
あたまを軽くなぶるようにされる。
睨みつけていると、不意にあごをくいっと持ちあげられた。
「何?」
より強く睨みつけた時、視界が遮られた。
自分が庇っていた筈の幸日がいつの間にか前に出て、庇ってくれている。
「やっ…やめてください…」
「幸日…」
思わず名前を呼んでしまう。
「ユキヒ?ふーん。ユキヒちゃんっていうの?トモダチ庇ってあげていい子だね」