ポケットの恋
結局、休憩が終わった後も、次田は客がいない瞬間をみはからって、ちみちみと話しかけてきたが、「仕事中です」の一点張りで逃れた。
午後になって客が増えれば、次田だってだまるだろう。
ああ見えて、次田は根は真面目だ。
その計算通り、午後からは客の出入りが激増し、古谷と同じに次田も仕事に掛かり切りになったようだった。
次田の干渉もなく、気がついた時にはバイトを上がる時間になっていた。
制服を着替え、店の正面入口へ向かう。
カウンターには、明日の早朝までシフトを入れている次田がいるはずだ。
――挨拶だけして帰るか。
そう思った時に黄色い笑い声が耳に飛び込んできた。
顔をしかめて声のする方を見ると、次田の所に派手な女達が3、4人集まっていた。
その女達の顔には見覚えがあった。
名前は覚えていないが、確か古谷と同じ講座をとっていたはずだ。
溜め息をついて脇を抜けようとする。
「良行君?」
女に声を掛けられて、しょうがなく立ち止まった。
「何?」
つっけんどんに答える。
「やあー!古谷古谷!!今この子達がね、古谷探してたんだよ丁度ー」
次田がカウンターの向こうから満面の笑みで言う。
午後になって客が増えれば、次田だってだまるだろう。
ああ見えて、次田は根は真面目だ。
その計算通り、午後からは客の出入りが激増し、古谷と同じに次田も仕事に掛かり切りになったようだった。
次田の干渉もなく、気がついた時にはバイトを上がる時間になっていた。
制服を着替え、店の正面入口へ向かう。
カウンターには、明日の早朝までシフトを入れている次田がいるはずだ。
――挨拶だけして帰るか。
そう思った時に黄色い笑い声が耳に飛び込んできた。
顔をしかめて声のする方を見ると、次田の所に派手な女達が3、4人集まっていた。
その女達の顔には見覚えがあった。
名前は覚えていないが、確か古谷と同じ講座をとっていたはずだ。
溜め息をついて脇を抜けようとする。
「良行君?」
女に声を掛けられて、しょうがなく立ち止まった。
「何?」
つっけんどんに答える。
「やあー!古谷古谷!!今この子達がね、古谷探してたんだよ丁度ー」
次田がカウンターの向こうから満面の笑みで言う。