ポケットの恋
注文した料理がくるまではたわいのない会話だ。
そういえば、と古谷がパンフレットを取り出した。
「次、何乗る?俺、絶叫系乗りたいなぁ。あ、ゴーストマウンテンとかどう?」
古谷の言葉に、真実と幸日が同時に固まった。
「あれ、二人苦手?」
幸日が気まず気に頷く。
「あんまり…得意じゃないかも…あっ!でも直角に落ちるやつじゃなかったら多分平気!それに、あたし抜きで3人で行ってもいいし!あたし下で待ってる」
今度は真実がぶんぶんと首を振った。
「だめだめだめ!!ゴーストマウンテンなんてそんな、くだらなそうなの!」
「え?だって真実ちゃん絶叫系好きじゃ…」
「ゆきひー?余計なこと言ったら口裂けるわよ」
「さっ…」
ただならぬ雰囲気に、南部が古谷からパンフレットを掻っ攫う。
「観覧車とかは?でかいの、ここの名物だったよな」
南部の助け舟に、古谷は能天気に頷いた。
「いいねぇ、まさに遊園地っぽくて」
「あ、そう。じゃあ南部さんと古谷で乗ってきたらいかがかしら」
思わぬとばっちりで驚いたのは南部だ。
「え。じゃあ二人は」
「あたし達は帰りますぅ。さっ帰るわよ、幸日」
「え?」
幸日が真実を見上げる。
「もう帰るの?まだお昼ご飯も食べてないよ?」
「そうね、午前中満喫できれば十分ね。さ!帰っ」
真実はそこで言葉を継げなくなった。ゆっくりと横を見る。
「真実ちゃん、遊園地来たら観覧車でしょ。ねーっ秋仁?」
古谷はにっこり微笑んだ。
その手はしっかり真実の手を握っている。
ようやくショックから立ち直ったらしい真実が絞り出すような声を上げた。
「ちょっと…」
「戸田!戸田まだ乗りたいアトラクションあるよね?ここきたかったんだもんね?」
「え…まぁ…」
話を振られた幸日はあわあわと答えるが、その目は恐ろしい表情をしたままの真実を見ていた。
「でしょー?」
「ででででも!あたしもう乗りたいもののれたし…」
「え、一個だけ?いいじゃんいいじゃん!ねー秋仁?」
「え…」
「この手を離せぇぇ!!」
そういえば、と古谷がパンフレットを取り出した。
「次、何乗る?俺、絶叫系乗りたいなぁ。あ、ゴーストマウンテンとかどう?」
古谷の言葉に、真実と幸日が同時に固まった。
「あれ、二人苦手?」
幸日が気まず気に頷く。
「あんまり…得意じゃないかも…あっ!でも直角に落ちるやつじゃなかったら多分平気!それに、あたし抜きで3人で行ってもいいし!あたし下で待ってる」
今度は真実がぶんぶんと首を振った。
「だめだめだめ!!ゴーストマウンテンなんてそんな、くだらなそうなの!」
「え?だって真実ちゃん絶叫系好きじゃ…」
「ゆきひー?余計なこと言ったら口裂けるわよ」
「さっ…」
ただならぬ雰囲気に、南部が古谷からパンフレットを掻っ攫う。
「観覧車とかは?でかいの、ここの名物だったよな」
南部の助け舟に、古谷は能天気に頷いた。
「いいねぇ、まさに遊園地っぽくて」
「あ、そう。じゃあ南部さんと古谷で乗ってきたらいかがかしら」
思わぬとばっちりで驚いたのは南部だ。
「え。じゃあ二人は」
「あたし達は帰りますぅ。さっ帰るわよ、幸日」
「え?」
幸日が真実を見上げる。
「もう帰るの?まだお昼ご飯も食べてないよ?」
「そうね、午前中満喫できれば十分ね。さ!帰っ」
真実はそこで言葉を継げなくなった。ゆっくりと横を見る。
「真実ちゃん、遊園地来たら観覧車でしょ。ねーっ秋仁?」
古谷はにっこり微笑んだ。
その手はしっかり真実の手を握っている。
ようやくショックから立ち直ったらしい真実が絞り出すような声を上げた。
「ちょっと…」
「戸田!戸田まだ乗りたいアトラクションあるよね?ここきたかったんだもんね?」
「え…まぁ…」
話を振られた幸日はあわあわと答えるが、その目は恐ろしい表情をしたままの真実を見ていた。
「でしょー?」
「ででででも!あたしもう乗りたいもののれたし…」
「え、一個だけ?いいじゃんいいじゃん!ねー秋仁?」
「え…」
「この手を離せぇぇ!!」