ポケットの恋
「これが初めてだよね?」
南部は努めて冷静に尋ねた。
幸日は小さく頷く。
黙っていた古谷が声を上げた。
「内容、今日のこと?前のこと?」会話だけで何か察したらしい。南部に向かって言った。
「今日のことと…いつものことも書いてある」
画面をスクロールしながら答える。
「じゃあ昨日今日の話じゃないか…」
そうだ。犯人はおそらくずっと前から幸日を見続け、そして今日、メールを送り付けるという暴挙に踏み切ったのだろう。
「このアドレスに覚えある?」
聞いたのは古谷だ。
表示されたアドレスを幸日に見せて確認をとっている。
「ない…と思う」
「だよねぇ」
「幸日あんた、つけられてたとかそういう感覚なかったの?」
真実が幸日にきつい口調で尋ねた。
「わかんない…」
「だからわかんないじゃないでしょ!」
「秋田さん、ちょっとたんま」
心配が空振りしてきつくなった真実を、南部が制した。
「あ…ああ、ごめんなさい」
制されて気づいたらしい。
ばつが悪そうに謝りを口にする。「とりあえず、大丈夫だから。」幸日はゆっくりと言った。
「今回だけかもしれないし」
その言葉に真実の眉尻が吊り上がる。
「あんたね!」
「秋田」
また強い声を出しそうになった真実を古谷がやんわりと止めた。
真実はいらいらと頭を掻く。
「まあ…それも正しいかもね。あんまり騒ぎ立てた方が犯人の思うつぼかもしれないし。とりあえず様子見た方がいいかな」
そう言ったのは古谷だ。
「はぁ?!」
真実が今度こそ大声を上げた。
つかつかと古谷の目の前に詰め寄る。
「あんた何考えてんの?!あんたにとっては所詮他人事ってこと?!なんでそういう勝手なこと言えんの?!」
真実にくってかかられて、古谷がめずらしくむっとした顔をした。「あのね、今までずっとみてるだけだったのに、今日メールで自分の存在カミングアウトしたのどうしてか、とか考えてよ」
南部は努めて冷静に尋ねた。
幸日は小さく頷く。
黙っていた古谷が声を上げた。
「内容、今日のこと?前のこと?」会話だけで何か察したらしい。南部に向かって言った。
「今日のことと…いつものことも書いてある」
画面をスクロールしながら答える。
「じゃあ昨日今日の話じゃないか…」
そうだ。犯人はおそらくずっと前から幸日を見続け、そして今日、メールを送り付けるという暴挙に踏み切ったのだろう。
「このアドレスに覚えある?」
聞いたのは古谷だ。
表示されたアドレスを幸日に見せて確認をとっている。
「ない…と思う」
「だよねぇ」
「幸日あんた、つけられてたとかそういう感覚なかったの?」
真実が幸日にきつい口調で尋ねた。
「わかんない…」
「だからわかんないじゃないでしょ!」
「秋田さん、ちょっとたんま」
心配が空振りしてきつくなった真実を、南部が制した。
「あ…ああ、ごめんなさい」
制されて気づいたらしい。
ばつが悪そうに謝りを口にする。「とりあえず、大丈夫だから。」幸日はゆっくりと言った。
「今回だけかもしれないし」
その言葉に真実の眉尻が吊り上がる。
「あんたね!」
「秋田」
また強い声を出しそうになった真実を古谷がやんわりと止めた。
真実はいらいらと頭を掻く。
「まあ…それも正しいかもね。あんまり騒ぎ立てた方が犯人の思うつぼかもしれないし。とりあえず様子見た方がいいかな」
そう言ったのは古谷だ。
「はぁ?!」
真実が今度こそ大声を上げた。
つかつかと古谷の目の前に詰め寄る。
「あんた何考えてんの?!あんたにとっては所詮他人事ってこと?!なんでそういう勝手なこと言えんの?!」
真実にくってかかられて、古谷がめずらしくむっとした顔をした。「あのね、今までずっとみてるだけだったのに、今日メールで自分の存在カミングアウトしたのどうしてか、とか考えてよ」