ポケットの恋
15
「今日は秋田さんのカフェ行かないのか?」
講義が終わった後、いそいそと南部の隣に並んだ古谷が、南部がそう声をかけたのは、古谷が真実を送るために一緒に帰った次の日だった。
普通なら挨拶もそこそこにでていくところが、今日は南部に絡んできたので不思議に思ったからだ。
「うん。今日秋田バイトないって」
何かあったかと考えている南部とは逆に、古谷は無邪気に答える。
古谷は南部の教科書類の片付けを手伝いながら続けた。
「南部今日も図書館行くっしょ?」
「そのつもりだな」
夏も大分迫った頃になって、最近は大分暑くなっている。
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