ポケットの恋
南部は早い時刻に全ての授業が終わると、専ら大学の図書館を避暑地にしていた。
「俺も行くわ」
にっこりといい笑顔を浮かべる古谷に、南部は眉をひそめる。
「お前…ああいうとこ嫌いって言ってなかったか?」
「ああいうとこって?」
「…図書館とかそういう堅苦しい所」
「は?大好きよ?」
しれっと答える古谷に思わず溜め息が零れる。
「勝手にしろ」
そのまま歩き出すと、古谷は堪えた様子もなく、「勝手にするー」と人の後ろをついて来た。
結局いつもの間合いになって、いつも通り取り留めのない話をしながら、二人ではほとんど通ることのない道を歩いていく。
図書館に直通の螺旋階段を上がりきり、フロアに足を踏み入れた時、不意に声が掛かった。
「俺も行くわ」
にっこりといい笑顔を浮かべる古谷に、南部は眉をひそめる。
「お前…ああいうとこ嫌いって言ってなかったか?」
「ああいうとこって?」
「…図書館とかそういう堅苦しい所」
「は?大好きよ?」
しれっと答える古谷に思わず溜め息が零れる。
「勝手にしろ」
そのまま歩き出すと、古谷は堪えた様子もなく、「勝手にするー」と人の後ろをついて来た。
結局いつもの間合いになって、いつも通り取り留めのない話をしながら、二人ではほとんど通ることのない道を歩いていく。
図書館に直通の螺旋階段を上がりきり、フロアに足を踏み入れた時、不意に声が掛かった。