ポケットの恋


「最近一年の戸田さんと仲良いみたいだけど…―」
突然自分と同じ苗字が耳に飛び込んできて、幸日はびくりと身を縮ませた。
一年生に、あたしと同じ苗字の人いたっけ…?
しっかり考える前に、畳み掛けるように最初の女性の声が続く。
一緒に買い物してるの見たって。
公園の近くの。
それで察しがついた。多分あたしのことだ。
さらに続いた声に、幸日は硬直した。
「二人つきあってたりとか、してるの?」
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